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1998年3月16日放送分 自ギャグの詩 - 深夜の馬鹿力データベース

1998年3月16日放送分 自ギャグの詩

 あれは確か小学生、僕が5年生の頃の事だったと思います。
 4時間目が終わってさあ給食だという所でした。
 給食当番ではない僕は、机を給食時間用に早く並べてしまうと、給食当番が給食を配る用意が出来るまで、する事がありません。
 いつもだったら友人と廊下やベランダでも遊びに行って教室の残っている事などまずはありませんでしたが、その日に限って疲れていたのか、なぜだかただ1人教室の端の壁にもたれて、床に座っていました。
 この世の中には不思議な事があるもので、偶然にも座った場所が、当時大好きだったEさんの机の前でした。
 しかも自分の座っている場所からはよくEさんの机の中身が見えたのです。
 僕はこの幸運を神に感謝しつつ、Eさんの机の中の様子に見入っていました。

 そのうちに次々に牛乳が配られました。もちろん、Eさんの机にも配られました。
 他の人から見ればどれも同じ牛乳瓶に入った牛乳に違いないのでしょうが、その時、めったに見られないEさんの机の中身というプライベートワールドを覗き見して頭が何となくピンクに染まっていた僕にしてみれば、Eさんの机に置いてある牛乳なんぞ、部屋の外に干してある下着のような物です。

 次の瞬間、僕は下着泥棒になっていました。
 牛乳を手に取り、すぐさま凄い勢いで飲みました。
 うちの学校は廊下で給食を配るシステムだったのでその頃には牛乳を配る用意も整い、全員が廊下に出ていってしまっていたので教室には僕以外誰もいなかったのです。おかげで誰にも見られていないようでした。
 すぐさま牛乳を掃除用具用のロッカーに入れ、何食わぬ顔をして廊下に出、列の最後尾に並びました。

 「いただきます。」の時になり事件は起こりました。
 Eさんが泣いています。Eさんだけ牛乳がないからです。教室の中のみなが騒いだり不思議がったりしています。
 無くなった原因は簡単です。僕が飲んだからです。
 しかし、そんな事は人前で言えるはずもありません。
 担任の先生は当番に確かに配った事を確認し、その上で「誰がEさんの牛乳を隠したのか名乗り出るまで給食は食べられない」と言い出す始末です。
 さすがの先生でも牛乳がいち早く飲まれているとは思っていないようでした。

 そのあたりからはあまり定かではありませんが、誰かに「Sがやったんじゃねーの?だってさーそこらへんに1人座ってたじゃん」みたいなことを言われ、まさにジャストだったのですが、確か親友のTが「おいおい、Sはそんなに食い意地の張った奴じゃねーだろ」とかばってくれ、結局お腹が空いて先生も我慢できなくなったのか、当番に牛乳を給食室まで取りに行かせ、無事事無きを得たように思います。
 今にして思うと、Eさんの牛乳の味なんてさっぱり覚えていませんが、好きな人の縦笛をついペロルしてしまう人の心理状態は、この時の好きな人の牛乳を気がついたら飲み終わっていた時の心理状態を思うとよくわかるような気がします。
 もうすぐ18になりますが、今でも駅の売店の冷蔵庫に並んでいる、瓶の牛乳を見ていると、ピンクっぽい気分になります。
 伊集院さん、こんな僕はいかがでしょう?

 (PN:フォーク指)

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