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第13話 - 深夜の馬鹿力データベース

第13話

【第13話】

 

(学校での音)

 

渡辺君「伊集院くん、こないだの話考えてくれた?」
伊集院「また渡辺君か。ごめん、何度誘われてもダメなものはダメなんだ。」
渡辺君「君が入ってくれればさ、鉄道研究部が部として存続できるんだよ。頼むよ、カトーのNゲージあげるからさ。」
伊集院「いや僕、カトーっていうメーカーがどれだけすごいか分からないし、大体Nゲージに興味ないし。何より、物をくれるとかくれないとかじゃなくて、入れないものは入れないんだ。」
渡辺君「名前貸してくれるだけでもいいからさ。」
伊集院「名前を貸すっていうことはその部活動に所属するっていう事だから。」

(回想シーン、ヘリの轟音と伊集院のセリフ)
伊集院「俺は、二度と部活には入らない!後でどうなってもいい!後悔してもいい!俺は、伊集院は、二度と部活には、所属しない!」

渡辺君「なぁ、白糠線廃止の記念乗車券やるからさ。」
伊集院「渡辺君!いい加減にしてくれよ!」
渡辺君「なんだよ、その言い方。」
他の部員「渡辺部長、いくら誘ってもダメっすよコイツ。この間の調理実習室のガス爆発以来、変なんですから。」
伊集院「あれは事故なんかじゃないぞ。」
他の部員「それより、L特急らいちょうの???が手に入ったんですよ。もう、パンタグラフから、モーターまでバッチリ。」
渡辺君「マジかよおい。」
他の部員「481ですよ。」
渡辺君「うわっ、早く見に行こうぜおい。」
他の部員「行きましょう。」
渡辺君「どこ?どこでとってるやつ?」
他の部員「もうね、雪の中で。ボンネット型ですよ。」
渡辺君「うわぁ、すげぇ。あのループ線のとことかは?」
他の部員「ちょっとね、くすんだクリーム色がなかなか泣かせますね。」
渡辺君「いいねいいね、北陸色でしょ。」
他の部員「赤いラインも入ってるし。

渡辺君「おーい、伊集院。あんまりいい気になんなよ。き・た・く・ぶ・い・ん!」

(ガーン、というピアノの低い音)

伊集院「おい、今お前なんて言った!」
渡辺君「うっ、うっ、何だよ、おい。何も部活に入ってなけりゃ、帰宅部員じゃねーかよぉ。」
伊集院「俺は帰宅部員なのか!?」
渡辺君「えっ、部活に入ってないじゃんか。」
伊集院「俺は帰宅部に所属してるってことか!!」
渡辺君「放せよぉ、放せよぉ。トニックスのNゲージやるから、放せよぉ。」
伊集院「俺は帰宅部員なのかっ!帰宅部に所属してるのか渡辺っ!」

(ナレーション)
伊集院光のUP'S、ラジオ青春アニメ劇場『燃えろ!光』。
最終回『愛は部活動を超えて』の巻。

総統「伊集院君おはよう。地下牢にもずいぶん慣れたようだけど。よく眠れたかね?」
伊集院「あぁ、いい夢見さしてもらったよ。てめぇがまだ高校生で、21世紀部の部長でさ、みんなによってたかってバカにされてる頃の、夢をね。」
総統「それはそれは懐かしい。わ、我が、21世紀部がも
(小声で「バカにされていた21世紀部。」)
総統「バカにされていた21世紀部が、は、も、もはや地球
(小声で「200x年の今や。」)
総統「200x年の今や、地球の
(小声で「リーダーシップを。」)
総統「地球のリーダーシップを、取る組織になり
(小声で「そして私は総統。」)
総統「そして私は総統。」

(ナレーション)
大変お聴き苦しい演技をお聴かせしました。
心よりお詫び申し上げます。

伊集院「んー、松上君、無理だよね。」
松上「無理でした。」
伊集院「んんんん、ん、まっ、やってみてもいいんだけど、無理じゃ?」
松上「もうこりごりです。」
伊集院「んーでさ、あの。」
松上「はい。」
伊集院「提案なんだけどさ。」
松上「はい。」
伊集院「俺1万円持つんで、」
松上「はい。」
伊集院「お前半分1万円持ってくんないかな。」
松上「えっ?」
伊集院「そんで声優さんを呼ばない?」
松上「あっ、はい分かりました。そうしましょう。」
伊集院「い、いやっ、やるって言うんならまだいいよ、付き合うよ。」
松上「いえ、も、もう、ごめんなさい。もう、いいです。」
伊集院「あっ、ごめんね。」
松上「はい、いえ、とんでもないです。」
伊集院「か、かえってごめんね。」
松上「いえ。」
伊集院「ねぇ、その方がいいもんね。」
松上「はい、もうそうしましょう。」
伊集院「なっ。」
松上「はい。」
伊集院「お、OK?」
松上「はい、決まりです。」
伊集院「握手。」
松上「はい。どうも。」
伊集院「ごめんなー。」
松上「いえ。」
伊集院「1万円な、ごめんなー。」
松上「いえ。とんでもないです。はい、どうも。」
伊集院「俺も出すから。」
松上「あ、はい。僕も、出します。はい。」

(ナレーション)
予算の問題が解決しましたので、引き続きプロの演技でお楽しみ下さい。

部下「総統閣下、おはようございます。」
総統「伊集院君、おはよう。地下牢にもずいぶん慣れたようだが、よく眠れたかね?」
伊集院「フンッ。ああ、いい夢見さしてもらったよ。てめぇがまだ高校生でさ、21世紀部の部長でね、みんなによってたかってバカにされてる頃の夢をね。」
総統「ほう。それはそれは懐かしい。バカにされていた21世紀部は、200x年の、今や地球のリーダーシップを取る組織。そして私は総統。お手伝いさんロボットも、本物のジュースの出てくるテレビも、我々のおかげで実際に発明された。」
伊集院「ありがたいこったね。おまけにいろんな近代兵器も発明されてさ、おかげ様で池田君をはじめ、いろんな方々が殺されたと。」
総統「フッハハハハハハハハハハハハハ。危険分子が処分されたと言って欲しいねぇ。」
伊集院「フンッ。」
総統「我々は他にもたくさん発明したよ。例えば、元21世紀部員の君に取り付けてある、その拷問具もねぇ。」
伊集院「フッ。」
総統「殺れ。」
部下「はっ!」

(サンバデジャネイロの音楽が流れ、拷問が始まる)

伊集院「あぁっ。うわぁぁ。あぁっ!あっ!」
(拷問具の音)
伊集院「あっ!あっ!あっ!あぁっ!うっ!ごはぁっ!うっ!あっ!おぉっ!うわぁっ!あぁっ!あっ!あっ!あぁっ!あぁっ!うわぁっ!」
総統「そろそろ君の優秀な頭脳を、我々21世紀部に貸してくれないかね。」
伊集院「うぅっ。冗談じゃねぇ。俺は好きこのんで優秀になったわけじゃねぇや。帰宅部に入らねぇために、一度も家に帰らねぇで勉強し続けたら、優秀になっちまったってわけでさぁ。それを今さら
(拷問具の音)
伊集院「うぉあっ!わっ!はっ!ぃやっ!うっ!おっ!おっ!おっ!ぃやっ!やぁっ!あぁっ!あぁっ!」
部下「総統閣下、大佐がお見えです。」

(ドアの開く音)
部下「ご苦労様です。」
伊集院「フッ、ほう、これはこれはかおりさんの登場かい。何にも知らねぇあの頃ならいざ知らず、バリバリの21世紀部員のあんたに、今さらどんな説得されようと、何にも変わりゃしねぇぜ。女狐さんよぉ。」
かおり「伊集院くん。」
総統「いやね、伊集院君も我々の開発した拷問マシーン、『ちちくびピロリンデラックス』には慣れてしまったようだし、今日は趣向を変えて、19世紀からの伝統の拷問と、しゃれ込んでみようかなぁと思ってね。かおりくん、やりなさい。」
伊集院「ハァッ。」
(少しの間を置いて)
かおり「バカッ!」
(ムチで伊集院を叩く音)
伊集院「ウァッ!」
かおり「バカッ!」
(ムチで伊集院を叩く音)
伊集院「ウァッ!」
かおり「バカッ!」
(ムチで伊集院を叩く音)
伊集院「ウゥッ!」
かおり「バカッ!」
(ムチで伊集院を叩く音)
伊集院「ウゥッ!」
総統「フッフフフフフフフフフフフハハハハハハハハハハ。」
かおり「バカッ!」
(ムチで伊集院を叩く音)
伊集院「ニョウゥッ!」
かおり「ウフフッ、ウフフフッ。」
(ムチで伊集院を叩く音)
伊集院「ニョウゥッ!」
総統「フハハハハハハハハハハハハハハハ。」
かおり「バカッ!」
(ムチで伊集院を叩く音)
伊集院「ウァッ!」
かおり「ウフフッ。」
(ムチで伊集院を叩く音)
伊集院「ウァッ!」
総統「フーッフフフハハハハハハハハハハハハハハ。」
かおり「ウフフフッ。」
(ムチで伊集院を叩く音)
伊集院「ウアァッ!」
かおり「ウフフッ、ウフフフッ。」
(ムチで伊集院を叩く音)
伊集院「ウワァッ!」
かおり「バカッ!」
(ムチで伊集院を叩く音)
伊集院「ウワァッ!ウゥ
かおり「ウフフッ、ウフフフッ、ウフフッ、ウフフフッ。」
(ムチで伊集院を叩く音、そしてフェードアウトしていく)

(回想シーン)

かおり「伊集院くん、部活やめたって、本当?」

伊集院「あぁ、うん、得意のフォークボールをああも簡単に打たれちゃさ、みっともなくってやってらんなくてさ。」
かおり「バカッ!」
(パシッ、と平手打ちの音)

かおり「何よ、1回や2回負けたくらいで!」

(伊集院によるナレーション)
あの頃かおりが、部活をやめようとする俺を、何度も何度も叱ってくれたのは、俺を21世紀部に近づけないため。

(回想シーン)

伊集院「かおり、俺、うん、野球はもうできないけど、サッカーやろうと思ってるんだ。」
かおり「伊集院くんならきっとできるわ。わたし応援する。ファイトファイト!」
伊集院「ようし!伊集院君ドリブルで上がる!1人抜き、2人抜き、3人抜き、おっと自分でシュート、ゴール!」
かおり「ウフッ、ウフフッ、ウフフフッ、ウフフッ、ウフフフッ。」

(伊集院によるナレーション)
かおりが、他の部に入る俺を励ましてくれたのも、21世紀部以外の部活に俺を留めたいため。

(回想シーン)

伊集院「あの、あの、僕は、あの、21世紀部に入って、ひっそり活動するんで、じゃっ、さよならっ!さよならっ!」
(走り出す伊集院)
かおり「待ってー!待ってよー!」

(伊集院によるナレーション)
そして俺が、21世紀部の存在を知り、入部したが最後、機密の保持のために二度と退部できないように脅迫。

(回想シーン)

伊集院「笑い事じゃない。今すぐ池田を放せ!」
池田君「うっ、助けて!助けて!あーっ、うーっ、うっ、助けて!助けて!あーっ、助けて!あっ、助けてー!」
かおり「バカッ!」
(池田君が軍用ヘリで撃たれる音)
池田君「あーっ!!」

(伊集院によるナレーション)
それでも退部した池田は

伊集院「池田っ!」

(伊集院によるナレーション)
殺された。

伊集院「池田ぁーっ!!」

(伊集院によるナレーション)
待てよ。
なぜかおりは、あの日ヘリで飛び去ったんだ?
なぜ、一思いに俺を殺さなかった。
なぜ。
なぜだ。


(チャイムの鳴る音)

伊集院「あーっ、いい所で時間なっちゃったよ。この後さ、かおりちゃんと俺の濃厚なラブシーンでフィナーレになんだけどね、どう?俺の書き下ろしの脚本。演劇部卒業公演『燃えろ!光』、主演&脚本がこの僕、演劇部の鬼才、伊集院光!」
部員1「ていうかさ、この脚本長ぇよ。」
伊集院「ぃやっ、それはしょうがないんだよ。主人公の光君がいろんな部活を転々とするのがドラマチックなんだから。いわゆる超大作。」
部員2「セットとかこれ絶対無理じゃん。」
伊集院「んー何とかなるんじゃないの?」
部員3「ハリウッド映画じゃあるまいし。」
部員2「無理無理。」
部員1「できっこねぇんだよ。こんなのさぁ。何考えてんだよお前、できねー絶対。」
部員3「無理だよ、どう考えても。」
部員2「無理無理。」
伊集院「何だよ!どいつもこいつも俺の脚本に文句付けて。分かったよ。こんな演劇部、辞めてやるよ!」
部員2「あっ、あいつほんとにやめやがったぜ。ラッキー。」
部員1「よかったー。」
部員3「ラッキー。やっとやめたよ。」
部員2「せいせいする。」
部員3「ほんとー。」
部員1「あいつダメだもんなぁ。」
部員3「んなのできっこねーじゃん。」
部員1「なんか、えばってばっかで無理な脚本書いてさ、自分は天才だって。」
部員3「バカじゃねーの?」
部員1「才能ないくせに。」
部員2「ふぅ、すっきりしたー。」
部員3「ちゃんとした劇やろうぜ。」
部員1「おう。」
部員2「やろうぜやろうぜ。」

伊集院「あーあ。誰も止めてくれないから辞めちゃったよ。3年間演劇部一筋でやってきたのになぁ。どうしよ。あっ。」
かおり「ハァ、ハァ、伊集院くん、部活やめたって、本当?」


(脚本:ピンチヒッターいわさき、地味男、ネガティブ一直線、昆虫博士)

 

(つづかない)

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