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1998年10月5日放送分 自ギャグの詩 - 深夜の馬鹿力データベース

1998年10月5日放送分 自ギャグの詩

 伊集院さん今晩は。もうずいぶん前のことになりますが、伊集院さんはアメリカに行かれたことをラジオで話していましたね。お寿司屋さんの話やカジノの話、笑わせてもらいました。

 それは、もう10年ぐらい前のことになります。
 僕の街で中学生を対象に数名を海外に派遣していました。まあ、派遣と言っても実際はツアー旅行みたいな感じなのですが、旅費の方は街がまかなってくれるので、これは行くしかないと思い、僕は選考審査の作文を書き、そして合格しました。
 行く先はアメリカ合衆国、アラスカ。
 僕はパスポートを作り、旅行保険に加入。みんなへのお土産の話題はうまくはぐらかし、飛行機に乗りアラスカへ向かいました。アラスカでは、氷河、白夜、グリズリーなどの自然や、現地の人とのふれあい、「掘ったイモいじくるな」で外人に時間を聞けるという呪文などを学び、初めての海外旅行は無事幕を閉じるはずでした。

 その日はベーリング海が見える小さなホテルの泊まりとなりました。
 僕は友人とツインの部屋に入りましたが、まずそこでやりたかったことはトイレでした。アメリカ特有のボリューム、食えるものなら残さず食ってみやがれ攻撃、プラス、給食の時にみっちり仕込まれた「お残しはダメざます」スピリッツで、腹がパンパン。が、旅行の緊張のせいで僕は便秘になっていました。しかしその時、奇跡的に便意が訪れました。僕は昔の友人に久しぶりに会うかのごとく、いそいそとトイレのドアを開けました。
 数分後、否、数十分後、かなり大きくなった友人と再会、そして別れを告げるべくレバーを倒しました。友人は一瞬流されて行ったかのように見えましたが、再び、
「おいおい、そうそうそうそう、せっかく会ったんだからさ。連れないんじゃないの?」
と言わんばかりにひょっこり顔を出しています。
 僕はもう一度レバーを倒しました。
 瞬間、ゴポッ、という断末魔の叫びがしたかと思うと、ウォーターが、こんこんと湧き出る泉のように増えてきました。僕は十秒ほどパニクった後、

「見なかった。俺は見なかった。」

と満場一致で決議を出し、トイレを後にしました。そして何事も無かったかのようにベッドに横になり、内容もろくに分からないのに、当時日本でも流行のきざしが見え始めたミュータントタートルズの英語版を見ていました。というか、なんとなく網膜に映し込んでいました。
 さらに数分後、タートルズも終わり、なんとなく後ろのトイレが気になったので振り返ってみました。カーペットが濡れ始めていました。微動だにしない僕を見て友人も振り返りました。この時僕の頭の中では、どう言い訳をしようか、外国で大変なことをしてしまった、とか、そういえば旅行保険の例にもユニットバスを水浸しにしてしまったことが載っていたな、とか、お父さんやお母さんの顔が浮かび、早く日本に帰りたい、という思いが、グルグルグルグル回っていました。
 冷酷な友人が、
「と、と、とりあえず、マイケルさんに伝えなきゃ。」
と言いました。マイケルさんとは現地のガイドの人のことです。彼は大学生で夏休み中にこのバイトをしていて、彼と僕らはとても仲良くなっていました。その彼にトイレを詰まらせたことを報告しなければならないとは。
 僕らはマイケルさんの部屋のドアをノックしていました。話のあらすじを聞いた彼の顔は見る見る青ざめ、目は宙を泳いでいました。

 3人で部屋に戻るとマイケルさんは開口一番、本場の「Oh,My God…」をつぶやきました。

 マイケルさんは急いでトイレに駆け込みタンクを開け、中のプカプカをいじって水を止めることに成功しました。
 それから、うんこたれぞうとその友人とマイケルさんは、下の人に謝り、そしてフロントに向かいました。フロントの人とマイケルさんのやりとりは理解できませんでしたが、確か、トイレの水の量が少なくしてあったようで、保険は使わないということで落ち着いたとマイケルさんが引きつった笑顔で教えてくれました。その日は床に何枚かバスタオルを敷き、トイレは別の部屋の友人のを使いました。
 この旅行で僕は、トイレの水が止まらなくなったらプカプカを、という教訓の代わりに、マイケルさんとホテルの従業員に、ジャパニーズ=ウンコが固い、というイメージを与えてしまったようです。

 伊集院さん、この事件はあるゲームのエンディングを目の当たりにして思い出したトラウマです。旅の恥は掻き捨てと言いますが、僕は許されるのでしょうか。再び外国のトイレに座れるのでしょうか。

追伸。 家に帰ってから最初にしたこともトイレでした。この時は詰まりませんでした。さすが技術大国ですね。

 (PN:カトちゃんペの達人)


 小学校の頃の僕は工作名人でした。
 しかし実際はそんなにうまく工作を作れるというわけではなく、ただ、周りの人に比べれば幾分かは、という程度のものでした。

 小学生時代は、その世界の狭さと、何でも気軽に自慢が出来る環境のおかげで、誰もが何かのナンバーワンになることの出来る時代です。
 とはいえ、『工作ナンバーワン』という称号は、他の、『雑巾が汚いナンバーワン』や『手をきれいに洗えるナンバーワン』に比べて1ランクも2ランクも上の称号でした。
 その証拠に図工の時間には工作に関することで友達が助けを求めてきたり、僕の作品を女の子が見に来て賞賛してくれたりと、良い事がいっぱいありました。
 これは雑巾が汚いナンバーワンにはまず有り得ないことです。

 そんな鼻高々な小学校生活も最後の年を向かえたある日、僕たちは卒業制作の作品を作ることになりました。
 それは、僕たちがそれぞれ作ったオブジェに目覚し時計の部品を埋め込んで作る『オブジェ時計』なるもので、それは卒業制作であると同時に、卒業の記念品にもなるというものでした。
 僕は命を懸けてこのオブジェ時計の制作にあたりました。週1回の図工の時間だけでは日数が足りないので、家に持ち帰ってこの作品を製作しました。

 そして最後の図工の時間、僕はついにオブジェ時計を完成させました。完成した後まだ時間が余っていたので、僕は自分の作品をわざとみんなに見えるように机の上に置き、少し離れてみんなの賞賛の声があがるのを待っていました。
 その際ふと、当時僕が好きだったHさんの方に目をやると、いつもはいろんな事を難無くこなしてしまうHさんでしたが、この時計には苦戦している模様でした。
 これはチャンスとばかりに、僕は彼女の作品の製作を手伝うことにしました。図工の時間が終了、Hさんのオブジェも何とか完成しました。しかし、肝心の時計の部分は手付かずの状態でした。まだ部品の段階である時計を見て、彼女は悲しげな表情を浮かべていました。
 僕はその表情に心を打たれて、というより、彼女のハートをゲットしたいがために、僕が彼女のオブジェ時計の時計部分を完成させて明日学校に持ってくるよという提案をしました。
 Hさんは、自分の作品を他人にやってもらうなんて、と最初は僕の提案を断ろうとしましたが、やっぱり自分で作るのは無理そうね、お願いするわ、と僕に全てを任せてくれました。

 家に帰ってから、僕は早速Hさんのオブジェ時計の製作を始めました。
 彼女は図工の時間ほとんど時計部分に手をつけていなく、これを普通に作っていたら2、3日はかかりそうでした。それを一晩でやるのだから急がなければなりません。僕はトイレに行く間も惜しんで彼女のオブジェ時計を作りました。
 夜中の3時、僕は最後の部品である秒針をつけて何とかHさんのオブジェ時計を完成させました。
 そして、朝はこのHさんのオブジェ時計の目覚しで起きようと決めてタイマーをセットして寝ました。

 朝。目覚しが鳴りました。僕はいつものように目覚しを止めようと手を伸ばした瞬間、Hさんのオブジェ時計が机の上から床に落ちました。
 そのショックで僕は目が覚めました。そして床の上のオブジェに目を向けました。
 オブジェは無事でした。
 しかし、時計が。時計が壊れていました。長針は折れていました。アラームはブベベ、ブベベ、という変な音を出しています。
 僕はどうしようかと考えました。考えて考えて考え抜いて出たアイデアはひとつ。それは僕のオブジェ時計の心臓部を壊れたHさんのものと取り替えるというものでした。幸い時間はありましたし、僕のオブジェ時計も家にありました。そして何よりそうすればHさんの喜ぶ顔が見れます。
 しかし僕はどうしても自分の時計を彼女のものと交換することに抵抗がありました。なぜなら工作名人が自分の作品を失敗するということは許されないのです。
 しかも当時は、僕は、卒業制作が失敗したら小学校を留年になると思い込んでいたのです。

 正直にHさんに謝ることにしました。しかし次の日の朝、僕は学校の教室で彼女に目を合わすことも出来ず、オブジェ時計改めオブジェも渡す事が出来ませんでした。
 そこで僕はHさんが帰っていないことを確認して、オブジェをこっそりと彼女のロッカーに放り込み、急いで教室を出ました。
 そして、僕が廊下をとぼとぼ歩いていると、放り込んだショックでスイッチが入ったのか、僕たちの教室の方から、ブベベ、ブベベ、ベベベ、ベベベ、というあの音が聞こえてきました。

 それからのことは良く覚えていませんが、卒業式までの一週間、僕はHさんに一言も話しかけられませんでした。
 先生にも言わず、1人でこらえていたHさんの事を考えると、僕はとりあえず走りたくなります。

 伊集院さん。卒業制作が完成しなかったHさんですが、小学校を卒業出来たのでしょうか。

 (PN:ブンブン)

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