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1997年12月8日放送 自ギャグの詩 - 深夜の馬鹿力データベース

1997年12月8日放送 自ギャグの詩

 小学校1年生の時、僕は駄菓子屋のくじに取り付かれていました。
 毎日、ぼくのおばあちゃんがくれる50円で『イーアルカンフー』や『アイスクライマー』の紙で出来た下敷きがもらえるというくじをやっていました。
 くじは1回50円。お小遣いの全額です。しかし、全然当たりません。
 だから、駄菓子屋のおばあさんに「これほんとに当たり入ってるの?」と問い詰めました。すると、
 「入ってるわよ。こないだもひろし君、ほら知ってるでしょ?あの子が当てたばかりだよ。」
 その言葉を聞くと、僕は家に走って帰り、
 「おばあちゃん、おばあちゃん、300円貸して!一生のお願い!出世払い出世払い!」
 兄の良く使っていた言葉を利用し、どうにか借りてリターンTO駄菓子屋。
 「これと、これと、これと、あっ、これ。」6回くじを引きましたが、全てはずれ。
 僕は頭が完全にイッてしまい、はずれ賞のガムをドブに投げ捨てると、家にリターン。
 「おばあちゃーん、おばあちゃーん!」
 叫びましたが返事が無い。
 裏庭を見ると、おばあちゃんは曲がって固くなってしまった腰で、洗濯物を大変そうに取り込んでいるではないですか。
 その時、僕の頭の中で聞こえた言葉。

 「チャンス。」

 おばあちゃんのいつも座る席の戸棚を物色。
 「さっき確かこのへんから出してたよな…」と心の中でドキドキしながら探索するうちに金脈を発見しました。
 500円、100円、50円と、僕は握れるだけのコインを握って、家を出ようとしました。
 すると、玄関にはおばあちゃんが。
 駄菓子屋に行こうとする僕におばあちゃんは、「何やってんの、お金なんか持ち出して!やめなさい、ダメ!」と言い、玄関の戸をピシャリと閉めました。
 この行動にキレた僕は、「うるせぇクソババァ!どけっ!」
 おばあちゃんを突き飛ばし、さっきの駄菓子屋へ。
 肩で息をしながらくじを全部買い占め、片っ端から開けると、結局当たりは1つだけ。それでもすごーく嬉しくなって、公園で手当たり次第に下敷きを自慢して歩きました。
 気がつくと辺りは真っ暗になっていました。

 僕は喜びという感情に支配され、ニコニコしながら玄関を開けると、父が仁王立ち。
 そして、怒りの鉄拳。一瞬、目の前が白くなりました。初めて父から殴られました。しかもグーです。小学校1年生の子供を、グーでぶっ飛ぶぐらい殴るほど、父は激怒。「お前おばあちゃんに一体何をしたんだ!」と怒鳴り声。
 はっと我に返り、次から次へと涙がこぼれるや否や、「おばあさんごめんなさい!」と大声で叫んでいました。
 そして外へ飛び出し、道路を裸足で走り出し、「おばあちゃんごめんなさい、おばあちゃんごめんなさい!」と叫びながら、走り続けていました。
 そして1時間ほどした所で父に「もういいから」と取り押さえられました。
 おばあちゃんは僕に突き飛ばされ、足をくじいていました。
 僕はおばあちゃんに何度も何度も謝りました。
 おばあちゃんは「怒ってないよ。ばあちゃん、自分で転んだんだから。」

 あれ以来、全てのギャンブルを許せなくなりました。現在浪人中です。
 おばあちゃん、申し訳ない。
 僕は、僕は大丈夫なんでしょうか?

 (PN:ロッキー上院議員)


 あれは忘れもしない小学校3年生の冬。僕は近所の2歳年下のいとこの家に、文鳥を見せてもらいに行きました。
 家に行くと、いとこはファミコンをしていたので、「ファミコンをしている間に文鳥を見せてよ」と言い、文鳥をカゴから出して、ファミコンの隣の部屋に。
 最初のうちは普通にエサをあげたりして遊んでいたのですが、ふと、鳥が羽ばたく所を見たくなった僕は、文鳥に『高い高い』をしてみる事にしました。
 そうすると、思った通り文鳥は羽ばたきました。
 僕の期待に応えてくれた文鳥に嬉しくなり、調子付いてもっと高く、もっと高くと文鳥を上げました。
 そして何回か上げた時に、『ゴスッ』という音が。
 そうです。文鳥が天井にぶつかったのです。
 文鳥はそのままボトッと『気を付け』の姿勢で落ちてきました。
 幸い意識はあったので、何事も無かったようにカゴに戻し、隣でファミコンをしているいとこの所に戻りました。

 そして、何時間か遊び、家に帰ると、いとこの家から電話がありました。
 内容は、文鳥の様子がおかしいということでした。最後に文鳥に触っていたのが僕なので、即バレでした。
 いとこの家に猛スピードで行くと、文鳥がおかしなリズムをとっていました。脚の辺りが何か腫れていました。
 叔母に「あんた何したの!」と怒鳴られ、僕は全てを白状しました。
 数時間後、文鳥は泣きじゃくっているいとこの手の中で息を引き取りました。
 ふと周りを見ると、普段決して怒らない叔父さんが無言ではあるものの明らかに怒っており、僕に色々ファミコンの事とか教えてくれた高校生のお兄ちゃんも、「できればお前を殺したい」というメッセージ性を秘めた顔で僕を睨んでいました。
 一通り謝り家に帰ろうとすると、2歳年下のいとこが走って僕の所に来て、
 「2度と来るな!!」と一言。

 以来僕は高3になる今もそれを守り、新年会にも法事にも誕生日会にも、何かにかこつけていとこの家には行きません。
 伊集院さん、僕は本当に大丈夫なんでしょうか?

 (ラジオネーム:伝説の足刺し職人)


 あれは確か小学校3年か4年の頃の冬の事です。家族で母親の友人宅へ遊びに行った時の事。
 親達に「仲良く外で遊んでいらっしゃい」と言われ、僕とその家の子のH兄ちゃんとK君は「探検に行こう」という事になり、3人連れ立って近所のBB山(BB弾が大量に落ちているのでそんな名前らしいです)へ行きました。

 BB山に着いた僕らは、しばらくの間地面に埋まったBB弾拾いに興じていました。
 「ヘビー弾だよ、これ。」「こっちに透明なやつがいっぱいあるよー。」などと楽しい時を過ごしていると、上の方から「すっげぇ。ちょっと来いよ。」というH兄ちゃんの声がしました。
 行ってみると、汚れたキャンプ用品のような物が入ったダンボール箱が落ちていました。
 僕らはそれを使って基地を作ろうという事になり、ダンボール箱をひっくり返しました。すると、その中にチャッカマンが。
 それを見た兄ちゃんがボソッと、「なあ、たき火しねぇ?」と言いました。
 当時小学生の僕らにとって、子供だけのたき火。あまりに魅力的な響きでした。
 樹の枝や枯れ草などを集め、さあ点火。

 気が付くと、僕らの周りはちょっとした火の海でした。

 H兄ちゃんは頑張って火を消そうとしていましたが、火はどんどん燃え広がり、既に消そうとか消さないとかいうレベルではなくなりました。
 「消防車呼ぼうよ」と言いましたが、H兄ちゃんは「バカッ!捕まったら死刑だぞ!」と言いました。
 他から見れば頭の悪い小学生に過ぎない彼も、『H兄ちゃん』などとリーダー的に祭り上げられて、僕たちの中では絶対的な存在です。
 「死刑」という言葉を聞いた時、僕は「逃げよう」と思いました。
 それは、KもH兄ちゃんも同じだったようで、気付くと急な斜面をみんなで全力で走っていました。

 家に着いた僕らは、H兄ちゃんの部屋に駆け込み、息を整えてから、
 「き、消えたかな?」「だ、大丈夫だよ。」「そ、そうだよね。」
 と勝手に結論を出し、戦車やジオングのプラモデルを戦わせて遊んでいました。
 その時です。遠くの方からサイレンが聞こえてきました。
 プラモを手に、急に無口になった僕とK君とH兄ちゃんは、「だいじょぶだいじょぶだいじょぶだいじょぶ。」
 力ない笑顔を見せてくれていました。
 しかし、無情にもどんどん音は大きくなっていきました。しかも1台や2台の音ではありません。
 僕は「どっかの家が火事なんじゃないかな、ちょうど。」と精一杯の自分フォローを入れましたが、3人全員に対して効き目はなく、無口の3人の部屋にはサイレンの音だけが響いていました。

 しばらくしてその沈黙を破ったのは、窓の外からの「おーいH、BB山が燃えてるぜー。早く来てみろよー。」というH兄ちゃんの友達の声でした。
 H兄ちゃんは「今忙しいから!!」と必要以上に大きな声で答え、半泣きでした。
 もちろん僕とK君はボロボロ泣いていました。

 その日の夜、一言も喋らず、現実から逃げるようにPCエンジンで遊ぶ僕らに、仕事帰りのH兄ちゃんとKのお父さんが「おーい、お前らの好きな物を買ってきたぞー。」と言いました。
 恐ろしいほどのBADなタイミングで、おみやげは花火でした。
 「よりにもよって冬に、それもこんな日になぜ花火?」と思いつつも、僕とH兄ちゃんはとりあえずこわばった顔で「ありがとう。」と喜んだフリをしましたが、その時、許容量を超えたK君は、花火を投げ捨て、踏み付け、自分の部屋へと走り去りました。
 その後K君は鉄拳制裁と夕飯抜きの罰を受けました。夕食の席での話題は、もっぱらKの突然の反抗期についてで、幸い山火事については誰も知るよしもなく、触れられませんでした。
 夕食後の花火大会ですが、ほとんど憶えていません。
 ただ、「こっちの方が点けやすいわよ」と言ってチャッカマンを持ってきた、私の母の平和過ぎるほどの笑顔に、あやうく涙がこぼれそうになったのを憶えています。
 僕は死刑にならないでしょうか?

 (追伸:花火自体は中学校に入る頃にやっと楽しめるようになったものの、チャッカマンを見ると涙が出る)

 (PN:ファイアースターター)

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