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1996年5月27日放送分 珍肉番付 - 深夜の馬鹿力データベース

1996年5月27日放送分 珍肉番付

 思い起こせば、僕の幼い頃の記憶の中にも珍肉君はいました。僕が小学校の1年生の頃、近所の悪ガキ何人かで公園に遊びに行ってウルトラマンごっこに興じていました。しかしタロウやエース、レオ、ゾフィーなどのいいもんの役はみんなが取ってしまい、悪役はたった1人でした。そしてそれが珍肉、藤村君でした。

 彼は絶対的に不公平なその立場に追いつめられても、彼なりの役作りでバルタン星人になりきり、両手をチョキにしながら上下させ、「ワタシがヒトリでウルトラ一族をタオシテやるノダ。フォッフォッフォッフォッフォッ。」と言っていました。
 ウルトラ6兄弟勢揃い対バルタン1人では、モハメッド・アリ対3歳ぐらいの大ハンディ。開始早々、池に落ちるバルタン星人。「まいったか、バルタン!」「…まいらない。フォッフォッフォッフォッフォッ。」
 今度はブランコの角が加速度をつけてバルタンに激突。「まいったろ、バルタン!」「…まいらない。フォッフォッフォッ。」さらに追いつめられたバルタン星人は逃げ場を失い、公園を囲ってある5mくらいある金網をよじ登り始めました。

 「フォッフォッフォッ。ウルトラマンども、ここまでは追って来れまい。」5m上空で両手チョキにしているバカに、バカにされた僕らはカチンときて、「スペシウム光線!」とか「アイスラッガー!」などと言いながら空缶を投げたり犬のクソを投げたりし始めました。
 それでもそれをうまくかわし、「フォッフォッフォッフォッフォッ。」と笑い続ける藤村君。僕ことエースが投げる物を探しに行こうとバルタンから目を離した時、「フォッフォッフォッ、ポ?」という変なバルタン語が聞こえたかと思うと、こぶし大の石がゆっくり落ちて来ました。バルタンにウルトラマンの八つ裂き光輪がヒットしたようです。もう既にウルトラマンになっている場合ではありません。

 ウルトラマン改め進君が「ごめん、ごめん藤村。ごめん、大丈夫?」と言ったのをきっかけに藤村君がフェンスの上で泣き出しました。「フォーンフォンフォン。」驚いた事に藤村君は、まだバルタン星人だったのです。

 そうしてそれから先はどんなに「降りて来い」と言ってもフォンフォン泣いたままフェンスの上から一向に藤村君は降りて来ません。
 そうして小一時間後、ゾフィーの「バルタン星人よ、今回は我々ウルトラ一族の負けだ。来週からは君が地球を守ってくれ。」というわけのわからない説得にやっと応じた藤村は、フォンフォン言いながらフェンスをゆっくり降り始めたのですが、話はこれで終わりません。一息ついている僕に聞こえたのは、「フォーン、ドサッ」という奇妙な落下音でした。バルタン星人は花壇に落ちたのです。皆は頭の中が真っ白になってしまい、ただ茫然と静まり返った植え込みを見ていると、1分くらいしてから、植え込みの中から蚊の泣くような声が。「フォッフォッフォッフォッフォッ…。」そしてニョキッと力強く飛び出したチョキが2本。バルタンは生きていたのです。

 それ以来僕のクラスでは"ウルトラマンよりバルタン星人は強い"というのが定説になり、バルタン星人ごっこがしばらく流行っていました。

 [横綱]


 高2ともなると住んでいる所が学校よりもかなり遠い生徒はバイク通学を許されます。そんなバイク野郎の中にも珍肉はいました。
 彼の名は河野君。彼は徒歩で通う学生のために、バイクで荷物を運んでくれるという「俺急便」というのをやっていました。距離によって50円から300円ぐらいで引き受けるのですが、貴重なバイク通学者、大繁盛です。
 そのうちにあまりの繁盛ぶりに入っていた陸上部をやめ、バイク便1本に絞るほどでした。

 そんな河野君、彼が珍肉である事を暴露したのはつい先日の事でした。いつものごとく、"走る俺急便"というオリジナルソングを歌いながら走る河野君。バイクの後ろには山ほどの"俺急便"に頼まれた荷物が載せられています。「(歌)今日も配るぞ~俺急便~いけいけゴーゴー俺急便。」快調にカバンなりスパイクなりを各家庭に「俺急便で~す!」と運ぶ河野君。
 しかし、"俺急便"創業以来の最大のピンチが彼を襲いました。ガス欠です。彼は焦りました。既に前金をもらっている手前、荷物を断るわけにはいきません。その荷物の中には僕が頼んだカバンもありました。
 その時僕は予定されていたクラブの集まりが中止になり、"俺急便"よりも早く自宅に帰っていました。そこに1本の電話が。それは河野君からでした。河野君は受話器の先から一言、こう言ったのです。「午後4時57分、家の前で待ってて下さい。あとは、何とかして。」

 僕は一体どういう意味なのか分かりませんでしたが、言われた通り午後4時57分に家の前で待っていました。僕はガス欠の事など知らないので、急いでいるから荷物をポーンと置いて走り去っていくのかなーと思っていたら、1台のでかいダンプカーが走って来ました。どうやら上に何か乗っている様子。運転しているのは、河野君でした。
 そしてダンプカーの頂上には彼の"俺バイク"と共に数々の荷物が。そして河野君、僕にこう叫びました。「自分で取れよー!」しかし僕にはどうする事も出来ず、そのまま走り去って行ってしまいました。

 その後彼を首都高で見掛けたとか、奈良に荷物を送りに行ったなどの噂が飛び交いましたが、その後"俺急便"に頼んだ荷物が本当の宅急便で届きましたが、発送先が青森となっていたのはさすが河野君だなあと思いました。
 数日後、事の顛末を聞いた僕らは、「そんなにもうかってたんだったらどうしてガソリンを入れなかったの」と聞くと、「ガソリンスタンドに行っている暇がなかったから」という返事が返って来ました。
 結果的にちょっと遠いガソリンスタンドに行かなかったために、かなり遠い青森まで行ってしまった河野君でしたとさ。

 [大関](なぜ大関か?作ってるから。[伊集院談])


 あれは確か去年の夏、近所で縁日が開かれた時の話です。仲のいい友達とうろついていた所、一軒のちょいと傾いた古い射的屋さんがありました。
 にぎやかな縁日にもかかわらず、そこだけ何故かだれも近寄らない、魔のゾーンと化していたその場所に、うかつにも好奇心で近寄ってしまったのが全ての始まりでした。

 射的屋の前に僕ら3人が立つと、中から近づいて来た獲物を狙う巨大な暴れ熊がぬっと飛び出してきました。
 そして僕たちに、「おう、ぼっちゃん方、楽しい射的屋さんにようこそ。5発100円。豪華賞品、当たる。」と言うと、カーテンで閉められていた射的の的がオープンされました。
 そこに並べていたのはニセのルービックキューブ、20年前の絵本、ゴムで出来たウンコ、すっかり色があせて全員が限りなく透明に近いブルーになったドラえもんのぬいぐるみ、仮面ライダーのレコード、臭いライターなどでした。
 僕らはとっとと立ち去ろうとすると、その店の親父は「待て。全部倒したら、1万ドルやる。」などと、相場も知らねーのに勝手な事を言って来ました。僕らは親父が何だかかわいそうに思えて来たので、仕方なく100円を払いました。

 しかしこの射的、コルクがまともに前に飛びません。たまに奇跡的にまともに当たったとしても、軽いはずのライターはビクともせず、揺れる事すらありません。次々にあさっての方向に飛び散るコルク、そして親父はそのコルクが他の店へと入っていくとズカズカと乱入し、「俺の玉、玉、玉を奪って俺の商売の邪魔か?」と因縁を付け、その店の商品を有無を言わさず奪い、「はい、新しい的ですよー。」と言って射的屋に並べます。
 そして何度も飛び散ったコルクを追って商品を仕入れてくる親父。タダで仕入れて来るので親父はもうかって仕方がありません。くじ引き屋にコルクが入った時など、1等商品のスーパーファミコンまで奪って来る山賊ぶり。

 そうしているうちに僕は親父に1つの疑問をぶつけていきました。「あのさ、あのライターさっきからいくら撃っても落ちないけど、実は落ちないように貼り付けてあるんじゃないの?」
 すると、親父の目は山賊になりました。「なに?見てろよ。」とライターを持つ親父。その直後、ベリベリベリッ!というものすごい音。射的の台が激しく揺れ、ライターにはヒビが入っていました。「なぁー?取れるだろう?」と言いながらライターのガスを手に滴らせながら、「んー、これは古いからもういい。」と言って捨てると、さっき奪ってきた"10万円貯まるBANK"を何事も無かったかのように台に乗せました。

 そこで今度は、僕はこの射的屋のもっと核心に迫る質問をしてみました。「おじさん、この銃さ、まっすぐ飛ばないよ。」すると店の親父の顔は生はげの顔になったかと思うと、「そんなに言うなら俺が手本を見せてやるよ。」と言い、遠くに一本だけある木に向けて銃口を向けました。「まっすぐ撃つぞ!いいな?」と宣言する親父。バシッと発射されたコルク。
 しかしそのコルクは、木とは全く別方向の型抜き屋へと飛んでいき、たまたまそこの店の親父が持っていた型を見事にそのコルクできれいにヘリコプターの形に撃ち抜きました。

 唖然とする僕らを尻目に、「なぁ?」と言いながらコルクを持って走る親父。結局、僕らは親父が他の店から奪ってきた戦利品を数々抱きかかえて走り帰りましたが、最後に射的の的にされていたのが型屋の親父だったのは、僕の白昼夢であって欲しいと祈っています。

 [横綱](永田D、途中で飽きていいかげんな判断。)

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